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小説「町民C、勇者様に拉致される4」感想

 ついに「町民C、勇者様に拉致される」シリーズも、今回で堂々の完結!
 読み終えるまでに結構時間が経ってしまいましたが(それなりに連続しては読んでいる)、とても面白く読めました。……文庫版が発売されちゃったんだよなぁ。
 最初は、軽くゆるいノリの旅物語なのかな、と、思っていましたが、予想以上に練り込まれた設定と、世界規模の事件を解決するという、壮大な物語となっていました。
 最後にはどんどん盛り上がっていって、締めで感動のラスト。ハッピーエンドで終わってくれて、とても嬉しいです。
 微笑ましい最後でしたね(笑)。

 「庶民ライフを一緒に満喫しましょう!」

 町民C、勇者様に拉致される完結。
 コメディタッチなくすりと笑える突込みと、シリアスな物語の展開がつりあっていて、疲れることなく読み終えることができた。
 今までに出てきた情報をきれいにまとめて、すっきり終わったな、という印象。
 最後は上手い具合に綺麗に終わりすぎかな、とも思うけれど、これはこれで良いと思う。

 登場人物の名前が出てこなかったこととか、町民Cに関わるもろもろのことの、理由がしっかりとしていて、読んでいて納得できた。
 救いのある話で、人の良い面、人生の楽しさを知るべき、というメッセージを受け取った。

 楽しく読ませてもらった。


 以下ネタバレ含む感想。

 あらすじ。
 星原樹と同化、新たな存在「世界樹」として覚醒した町民Cは、世界で起こっている異変の原因を探るべく、元の神子の肉体に戻って行動を開始する。
 手始めに、世界に満ちている瘴気の抜け殻(純粋な力)を利用して、世界の人々の心を癒して、魔物を浄化することに成功するが、魔王(始原の勇者)と、深蒼の勇者との決戦は止まらない。

 二人の戦いが終わる間際、大神官と協力して、決戦場にやってきた町民Cは、「名前」を呼ぶことで両者の動きを止めて、始原の魂と勇者の存在の消滅という最悪の事態を回避することに成功した。
 さらに、大神官の協力で、目覚めた神さまとの対話に成功した町民Cは、神様の欠片(と、始原の勇者の欠片も)を受け取り、自分の子どもとして育て、「愛」を教えることを決める。

 こうして、魔物との戦いは終わった。人類の絶滅を回避し、人々は星神様の存在を知って、世界に穏やかな空気が流れた。
 だが、町民Cが生んだ子どもは神さまの欠片を持ち、今後いつかは狙われるだろうと大神官は指摘した。結果。町民Cは、深蒼の勇者とともに姿を変えて、世界を旅することになるのだった。

 それでも、町民Cに悲壮感はなかった。勇者とともに、幸せに生きて行く、そんな未来が、見えたのだった。

 終わり。

 結局、答えを出さなくてはならないのは、神様ではなく人間、ということでしょうか。
 この物語に出てくる神様は、どんなことでも認めてくれていました。それが世界の破滅に繋がっても、どうしようもなくなるまで、神様は見ているだけです。
 それは放任主義というわけではなくて、それが神様流の愛情表現なのだと思います。だって神様が否定しちゃたら、世界に居場所がないということと同じですから。

 だけど、何度やり直しても人間は滅びに向かってゆく。だから、ひとつ前の時代の人間は、神様をわずらわせないように、自分たちで人間を絶滅させる魔物を生み出した。
 でも、彼らも、きっと人間を信じたかったはずです。だからこそ、始原の勇者は、魔王になったのだと思いますから。

 そして、正義の味方という役をこなした深蒼の勇者。彼は、見えすぎる目によって、破壊に特化していたため、実の母親からも恐れられたという過去があり、そのため、自分のことは置いて、人助けに全力だったのだとか。
 もっとも、根っこの部分では、面倒見の良いお人好し、だったのかもしれませんね。

 今回では、そういった今までの登場人物の背景も掘り下げながら、神様のあり方、人間のあり方を問うてくる内容でした。
 認めてくれるからといって、それがやっていいことだとは限りません。逆に、認められなくても、やるべきこともあると思います。

 人間は、選択することのできる存在です。自分たちで人生を決めて、選択しながら生きてゆきます。
 人生では、辛いこと、楽しいことがたくさんあります。諦めないで、最後まで選択し続けた人が、本当に幸せになることができるのではないでしょうか。

 町民Cは、最初は流されるまま神子になり、旅をすることで世界を知りました。さまざまな感情を、耳目という役割で神様に伝えました。
 そして、あくまでも外側の管理者でしかなかった星原樹と同化することで、世界を外から見る視点を得ながら、最後には、世界の内で生活することを選びました。
 この物語は、彼女の選択のお話なのかもしれません。

 全四巻というそこそこの量でしたが、長すぎず、徐々に読みやすくなってきていて、非常に楽しく読むことができました。
 これで、町民Cの感想を終えたいと思います。

2014-03-22 : 本(小説・漫画)関連 : コメント : 0 :
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