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映画「終戦のエンペラー」感想

 海外が、日本の終戦直後を舞台にして描くということで、果たしてどんな内容になるのだろう、と思っていました。
 ですが、本作品「終戦のエンペラー」は、日本という国の精神の存在を理解して認め、肯定も否定もせず、ただ事実だけを突きつけてくる良作でした。日本人を尊重して、対等の立場で描いてくれていたと思います。
 日本人の持つ「間」「あいまい」の文化や、「本音と建前」という特徴なども取り込みつつ、あの時、果たして何があったのか、を描いています。

 二者以上での、何が正しい、何が間違っている、という決着は、ほとんどの出来事において存在しないと思います。
 「灰色」しかないのです。どちらにも譲れないものがあるから、相手を理解しようとしないから、一色に染まらず、争いが始まってしまうのです。

 私としては非常に面白い作品でした。明確な悪は存在せず、「空気」によって熱病に冒されていた……。
 ただ単純にドキュメンタリィ映画にするのではなく、あくまでも娯楽的な要素も含みつつ、真面目に真剣に作りこまれていたと思います。

 アメリカ視点から描かれた大戦後の日本ということで、興味を持って見に行った。
 日本人のサポートも多くあるのか、「天皇」という存在や「あいまい」の文化についても結構、分かりやすい日本よりの解釈をしてくれていた。
 ストーリー構成に関しては微妙な点もあれど、十分及第点。
 最終的に落ち着くところに落ち着いたか、という印象だった。
 今の日本人の若者が過去の大戦時を想像しても、その百分の一すら分からないだろう。
 だけど、だからこそ、こういった作品を通じて「空気」を理解しようと努めることが重要だと感じた。


 以下ネタバレ含む感想。

 あらすじ。
 1945年。日本は降伏した。戦争が終わり、日本には戦後処理のため「マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)」らが訪れた。
 その中には、かつて日本人女性と恋仲にあった親日家の「フェラーズ准将(マシュー・フォックス)」の姿もあった。
 彼は、日本を良く理解しているとして、マッカーサーから、天皇が戦争において無罪であることの証拠を集めるようにと指示を受ける。

 だが、「あいまい」の精神を持つ日本人からは、マッカーサーらが望むようなはっきりとした証拠がなかなか集まらなかった。
 しかし、やがてフェラーズは、徐々に日本人を理解して、ついに「昭和天皇裕仁(片岡考太郎)」とマッカーサーとの会談を取り付けることに成功する。

 そして、マッカーサーに、「全ての罪は私に」と告げる昭和天皇。だが、マッカーサーたちは天皇のあり方を理解した。
 昭和天皇は、崩御するときまで、日本国の象徴として、ひとりの人間としてあり続けるのだった。

 終わり。

 日本人の私が見ても、違和感の無い描き方をしていたと思います。もちろん、歴史家などの専門家に言わせれば間違った表現もあるかもしませんが、十分楽しませてもらいました。
 過去の出来事にしてはいけない、戦争というものについて、考えるきっかけにもなったと思います。

 重苦しいシリアスな展開と、間に挟まれる日本人と外国人という壁に邪魔される恋愛の描写があって、最後まで息切れすることなく見ることができました。

 さまざまな日本の歴史や文化が紹介されており、「本音と建前」や「灰色」の文化の理解に苦しんでいた外国人であるマッカーサーたちが、最後には「建前」の会談をすることには、「歩み寄り」を見て取れました。
 こうやって、少しずつでもお互いを理解していけば、それはきっと、今より良い関係を築くことができるはずです。

 もうこんな時期。
 普段何気なく過ごしている平和が、日本を良くしようと信じて戦った人々の上に、築かれていることを忘れてはいけません。どれだけの日本人が必死に戦後を生きて、こうやって平和を掴み取ったのか。
 せめてこういった映画作品に触れることで、学びたいものですね。

2013-07-29 : 映画関連 : コメント : 0 :
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Author:霞澄香
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