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小説「この世界がゲームだと俺だけが知っている1」感想

 久しぶりにweb発の書籍である「この世界がゲームだと俺だけが知っている」の感想です。著者は「ウスバー」氏。出版はエンターブレインです。
 びびっと来たので買ってしまいました。ジャンルはファンタジーとコメディみたいなものかな。
 最近読んだなかで似た種類では、「オーバーロード」かなと思いますが、こちらは硬派というよりは、軽い、ライトノベルらしい作品でした。
 笑いどころも結構あって、面白く読めました。理不尽な展開に一喜一憂したり、それを奇策でもって回避してゆくのは、見ていてハラハラさせられつつも楽しい作品でした。

 笑いながら読める明るい作風。

 ゲームに良く似た世界に入り込んでしまった主人公の冒険譚。
 ぎりぎりな状況から生き残ろうとあがくシリアス、というよりは、予想を超える奇策で状況を乗り越えるコメディを楽しむもの。

 作品の主人公「ソーマ・サガラ」は、主人公らしい主人公。あまりうじうじとせず、悩みや恐怖を感じながらも、葛藤しつつ乗り越えてしまう。
 そこらへんのシリアスさとコメディとのさじ加減は難しいだろうけれど、今回はちょうど良い感じだと思う。

 これからも、問題発生→奇策で解決。というお約束の流れになるのか、楽しみである。
 また先送りにしている問題がいつはね返ってくるのか、ドキドキしつつ期待もしている。


 以下ネタバレ含む感想。

 あらすじ。
 ゲーム好きな大学生の「相楽操麻(さがらそうま)」は、ある日、「New Communicate Online(通称猫耳猫)」というなぜか一人用かつバグ満載のファンタジーゲームに限りなく近い世界に入り込んでしまう。
 ゲームだった頃に極めたステータスは全て初期化されてしまったが、やりこみによって培った知識と経験、そしてなにより、バグ技の数々を使い、現実よりゲームに近く、ゲームより現実に近い猫耳猫の世界で生きることになったソウマ。

 ゲームの仕様でMPK(モンスターを引きつれて、プレイヤーに押し付けること)をしてしまうトレインちゃんこと「イーナ・トレイル」と出会い、ぼっち仲間同士盛り上がったり。
 ゲームの仕様を利用して、人外じみた奇妙な動きを使っていたために、猫耳猫の「お助けチーター」とも呼ばれる最強レベルのキャラクター「ミツキ・ヒサメ」に命を狙われたり。

 それをこれまた、ゲーム時代に知りえた知識と、バグ、そして最終的には、ミツキとの決闘を言葉遊びのような卑怯な技を駆使しながら回避したり……。

 そんなこんなで、バグ技とプレイヤースキルをフルに活用する〈奇剣使い〉「ソーマ・サガラ」は、元の世界に戻るため。なにより、理不尽満載の猫耳猫の世界を救う(クリアする)ため。
 必死に、奔放に、生きてゆく決意をするのだった。

 終わり。

 いやあ、笑った笑った。ライトノベルらしくて好きですよ、こういう作品も。
 別の世界に入り込むという流れでは、クラインの壷みたいな悲壮感のある話も良いですけれど、ゼロの使い魔みたいに、お気楽な主人公が物事に巻き込まれながら進むのも良いですね。
 まあまるっきりジャンルも物語の組み立ても違いますけど。

 今回読んだ「この世界がゲームだと俺だけが知っている」(長いので以下猫耳猫とする)は、コメディタッチな作風で、練りこまれた伏線というよりは、お約束といったほうが適切だろう展開をしてゆきます。
 原因と結果の関係が分かりやすいんだけれど、いざ結果が決まるまで、どこが原因だったのか、めぐってどんな結果になるのかを、予想させない文章構成でした。伏線張りとその回収の手腕は見事。

 あらすじによると、猫耳猫は、そんな遊び方をするの? というゲーム本来の遊び方から外れたやり方をめいっぱい詰め込んであるそうです。
 作者のウスバー氏自身が相当のゲーム好きだそうで、きちんと設定を練りこんであったり、遊びの要素が入っていて、本当に好きで書いているんだなぁと感じ取れるやわらかい作品でした。

 正直、こんなゲームが出されたら私は敬遠しちゃいますけれど、ソーマくんはさすがに主人公。理不尽を更なる理不尽と技術で覆そうとする行動が面白かったですね。
 元の世界に帰れるのか、とか、生きるか死ぬか、とかいう状況でも、あんまり悲壮感がなくて、そこも個人的には良い点でした。

 いつまでもうだうだされても読んでいて面倒ですし、猫耳猫はそこらへんのさじ加減が適当だったですね。
 ソーマくんレベルの思考に至れる人間はそうそういないと思いますが、ライトノベルという娯楽作品の主人公のくくりで考えると、この程度で良いと思います。

 個人的には、ゲームの中で起こる理不尽出来事をどうやって解決してやろうか、という考え方には共感できました。私程度の腕だと、ゲームオーバーのループになりそうですけどね。
 PS時代のバッドエンドばかりのアトベンチャーゲームをやったことがありますけれど、あれもグッドエンド出すまでに、そこで死ぬの!? という状況に何度も陥ったりして、そういう意味では私も猫耳猫を楽しめる素質があるのかもしれません。

 バグが許容できない。きっちり作りこめ。という人には猫耳猫はあいませんが、理不尽に死ぬのが楽しい。予想斜め上の展開が楽しい。そんな人には楽しめそうな作品です(笑)。
 あとは、ヒロインが誰になるかは分かりませんが、トレインちゃんもミツキも可愛いですから、キャラクターが気に入ったなら、読み進めても楽しめると思います。

 今回のラストでは、更なる厄介ごとが起こった! というところで終わっていましたから、二巻以降にも、期待大です!

2013-05-14 : 本(小説・漫画)関連 : コメント : 0 :
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風見澄香

Author:風見澄香
 据え置きはPS4しかないSONY大好きな雑食管理人。
 購入するゲームはほとんどPS4のもの。
 あとはヴァイスシュヴァルツと携帯電話のアプリゲームを趣味程度にやっています。

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