ゲーム・本(小説・漫画)・映画などの感想レビューがメインのブログです。

映画「相棒シリーズ X DAY」感想

 伊丹刑事が主役という、いわゆるスピンオフ作品(?)である本作品「相棒シリーズ X DAY」ですが、きちんと相棒らしさを残していて、満足のゆく作品でした。
 ラストまでぐいぐい引きこまれて、最後には「えっ、もう終わり?」と思わずこぼしてしまいました。

 あっさりと、しかしどこか考えさせられる終わり方で締めていましたね。

 文庫で小説版も出ています。私も持っていますが、まだ読んでいませんので、楽しみです。


著者 :
Happinet(SB)(D)
発売日 : 2013-11-02
 劇場で見た。
 杉下ではない、別の二人=相棒が事件を追ってゆく。
 描写は丁寧かつしつこくない仕上がり。
 相棒本編でも良い味を出している伊丹刑事。
 彼と正反対に見えて、根っこの部分では同じ熱血な部分のある岩月捜査官とのやりとりに注目したい。


 以下ネタバレ含む感想。

 あらすじ。
 東京明和銀行に勤める銀行員の男「中山雄吾」が殺された。
 捜査一課の「伊丹憲一(川原和久)」と、男が残した「謎のデータ」をめぐり偶然捜査に加わることになったサイバー犯罪対策科の「岩月彬(田中圭)」は、この事件を追うことになる。
 問題の事件の全貌はそこまで単純なものではなかった。「謎のデータ」の正体は、近い将来訪れるお金の価値がなくなる(日本国債の暴落による)金融封鎖の日「X DAY」のシミュレーションプログラムだったのだ。
 中山は、国民たちがその事実を知り、一丸となって問題解決に取り組むために、X DAYのデータを流していたのだった。

 プログラム作成者は、財務省所属や、一部の協力者たち。そのため、上層部からの圧力で、これ以上の調査を止めるように指示される伊丹と岩月。しかし、「俺たちは刑事だ」と隠れて捜査を続ける。
 やがて、中山が死ぬ原因となった銀行員の一人「朽木貞義」を逮捕。加えて、暴力団に属していた証券トレーダーで、お金のために中山を殺した男を殺人罪で逮捕することに成功した。

 政府上層部から逮捕者を出さなかったということで、伊丹と岩月は警視総監賞を授与される。だが、伊丹は、事件の協力者(中山の恋人)に贈ってください、と辞退する。
 感情的な伊丹と理知的な岩月。凸凹な相棒だったが、「正義のために戦う」という共通の目的を達成したのだった。

 終わり。

 「僕たちは、警察官だったんですね」という岩月の言葉が全てを語っているように思います。彼は「正義のために戦う捜査官と、正義を忘れた専門捜査官。どっちが無能なんでしょうね」とも続けています。
 岩月は、かつてのバブル崩壊によって首を切られ、中途採用(?)として専門捜査官。つまり警察官となりました。

 その彼は今まで、現場で戦う刑事たちを無能だと思っており、愚痴を何度もこぼしていたそうです。しかし、伊丹に引っ張られる形ではありましたが、今回、現場の空気を感じて、自らの「正義」に目覚めるという、いわば今回の映画は岩月の成長物語とも言えるでしょう。

 伊丹と岩月という対照的な二人をW主人公とした脚本は良かったのではないかと思います。

 二人の活躍を見ているだけで十分満足できました。
 国民は愚鈍だから私たちが導かなければならないという政府上層部と、現場捜査官との確執。脇役(例えば課長)の意外と重要な活躍。などなど相棒では良くある展開ですし、本来の主役である杉下警部がいないのにも関わらず、普通に「相棒」を見ている気分でしたよ。

 ラストもどこか感慨深いものがありました。人々が本当に無能に見えてしまうのが上手く表現していたと思います。
 X DAYについても、無知な国民たちを政府は小ばかにしている印象もありました。しかし、それが一概に悪だとは言えません。
 最後で岩月が言う「自分の身に降りかからなければ、分からないこともあるんですよね」という言葉が今回の内容を良く表していると思います。

 やっぱり、何事も、自分の身に起こらないと他人事なんですよね……。
 身近なものをあげるとすれば、地震とかでしょうか。数十年から数年の間隔で、大きい地震は起こっています。なのに、人々はすぐに忘れ、起きてから慌てて準備を始めます。防災グッズなども積極的に販売されます。
 原発もそう。今まではチェルノブイリの前例があっても、まさか日本国内でそんな規模の事故が起こるだなんて、(たとえ予想していても)驚いたのではないでしょうか。
 しかし、それでは手遅れですよね。

 今回の「相棒」は直接的に生命に関わらない(とも言えないが)金融封鎖というテーマを取り扱っています。その中で、見事に人々の世界への無関心さを表現していたと思います。
 起こってから慌てる。これではいけません。必ずそうだとは言いませんが、行動を起こす際には、最悪の状況を常に想定しなくてはならないのでしょう。

 「自ら行動しなければ、明日も同じ生活が送れるとは限らない。なのに、なぜ行動しようとしない?」
 これが、今回の作品でもっとも心にキた言葉です。私もこのままじゃいかんなぁ、と思いましたが、それでも、やっぱりどこか他人事(無関心)。
 誰かがやってくれるだろう、国がなんとかしてくれるだろう……、そんなことばかり考えてしまいます。行動を起こさないと、と思う気持ちがそれに勝れば良いのですが……。

 さて、感想はこんな感じでしょうか。
 今回の「相棒」は、とても考えさせられる良い題材を扱っていたと思います。

 それでは、とりとめもなく長くなりましたが、劇場版「相棒 X DAY」の感想を終わりとします。

2013-03-25 : 映画関連 : コメント : 0 :
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

呟き


プロフィール

霞スミカ

Author:霞スミカ
 線路の上しか歩けないブログ管理人。

カレンダー

ブログ内検索

アクセスカウンタ

本棚

By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ