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映画「プラチナデータ」感想

 予定がついたので見てきました。映画『プラチナデータ』の感想です。
 二宮くんが好きなのもあってみることにしたのですが、既読の原作本とは要所要所が異なっていたので、先を知りながらも、新鮮さがある、という具合に見れました。
 十分に楽しめる堅実な仕上がりだったと思います。

 劇場でも見た。原作も読んでいて、かなりのお気に入り。国民管理社会への段階を上がる日本が舞台。
 管理が悪いことだとは言わないし、効率的な面もあるだろうけれど……、この映画はそこに鋭い指摘をする。
 二宮和也が、二重人格者の役をしたけれど、空気というか、雰囲気で、入れ替わったな、と思わせる演技はさすが。

 内容としては、原作の小説とは、微妙に異なる点、大きく異なる点があるけれど、映画映えのことも考えれば、十分許容範囲。

 サイバー社会の危険。


 原作本もどうぞ。原作小説の感想はこちら(記事へリンク)から。


 主題歌「Breathless」が収録されたCDも出ています。
ジェイ・ストーム
発売日:2013-03-06

 映画「プラチナデータ」の主題歌「Breathless」が収録されているということで購入。
 落ち着いた曲や、アップテンポの曲などが(カラオケverと一対で)四曲入っている。
 四曲ともそれぞれに特徴があり、どれも良い味を出している。

 嵐メンバーの歌声が、ぶつかりあわずに溶け合っていて、聞いていて楽しい。


 以下ネタバレ含む感想。

 あらすじ。
 警察庁特殊解析研究所(SARI)を筆頭とし、日本国民のDNAをデータベース化して捜査に利用するためのシステムが施行された。それは確かに犯罪検挙率を引き上げていた。
 しかし、SARI主任の「神楽龍平(二宮和也)」とともにシステムを開発した蓼科兄妹が殺され、遺留物から神楽のDNAが検出されたことで、神楽は警察から追われることになってしまう。

 捜査一課の警部補「浅間玲司(豊川悦司)」は、神楽を追いながら、徐々に事件の不自然さを感じるようになる。
 そこで、神楽と協力して独自に調査を進めた結果、蓼科兄妹が開発していた、「真のプラチナデータ」を完成させるためのプログラム「モーグル」を発見する。

 そう、DNAデータベースとして使われていたプラチナデータには、一部の特権階級の者が罪を犯してもつかまらないように偽装する細工がしてあったのだ。

 早速浅間はモーグルをSARIのDNAシステムに組み込み、蓼科兄妹を殺した連続殺人犯NF13(13番目の該当データなしDNA)を調べると、それは神楽や蓼科早樹などの担当医だった「水上利江子(鈴木保奈美)」だと判明する。
 それを聞いた神楽は、水上の研究所へ向かい、なぜ、と問う。それに対して水上は「DNAシステムを用いて、生きる価値のない人間を殺し、優れた遺伝子を持つ者だけを選別するのが、私の目的だ」と答える。
 それを聞いた神楽は「間違っているよ、誰も望んじゃいない」と、水上を射殺するのだった。

 終わり。

 ぞっとする話ですね。原作本を読んでいたのでどうしても比べてみてしまいますが、やはり映像ならではの迫力があって見ていて面白かったです。

 原作との大きな相違点は、スズラン(早樹の幻影)がでないことによって、二重人格者である「神楽」と「リュウ」でのやり取りが省略されていたところ。
 そして、リュウが描いていた手が父親のものだった、というのが早々に判明するところ。父親の自殺の原因は、見せられた贋作を父親の作品だと思い込んだ神楽が「今までの中で一番好きかも」と言ったことになっていたところ。
 水上教授が女性となっており、より狂信的な目的のために行動していたところ。
 「神楽」と「リュウ」のうち、実はもともとの人格は感情的な「リュウ」で、理性的な「神楽」は父の死以降出てきた人格であるところ。

 これくらいでしょうか。

 挙げただけでも結構な変更点がありますが、特に違和感なく受け入れることができました。個人的にはスズランはどうやって表現するのかなぁと楽しみにしていたので、肩透かしを受けた気分ではありますが。
 あのミステリアスな少女は文章だからこそ、より不思議な雰囲気を持っていたのでしょうかね。

 あとは、追う「浅間」と追われる「神楽」の追いかけっこがはらはら緊張しまくり。浅間が追々仲間になることは分かっていたのですが、それまでは最新鋭のハイテク機器の支援を受けて追いかけてくる警察が怖かったですねぇ。
 神楽もかわいそうですよね。自らが原因で父を死に追いやってしまったと感じているのですから。

 そしてなにより大きい変更点である水上の目的。これは、まあ考える人はいそうだよなぁ、とは思いますが、真実実行してしまえるところが恐ろしいところですね。
 彼女にとってはプラチナデータは布石でしか過ぎず、いまだ野心を抱いていたという……。作中での彼女からは狂気を感じましたよ。
 それに対する神楽の返答は、DNAではなく、自らの努力で前に進まないといけない。誰にでも平等にチャンスはあるべきだ、という感じでしょうか。

 私もそう思います。現在ですら、日本国内でも、諸外国でも差別が色濃く残っているのに、さらに区別してしまうようなものはいけないと思います。
 選民思想とでも言いますか……。確かに、愚鈍な者が統治するよりは、優れた独裁者が統治したほうが良いのかな、と思うこともたびたびありますが、誰にでもどこかに良いものがあるはず。
 遺伝子を見て切り捨てるのではなくて、まずは会話を交わして、向き合うことが大事なのではないでしょうか。

 何度も機会があったのにも関わらず、努力せずに逃げているのであれば、それはしかたのないことだと思いますが(それでも殺しはいけません)。

 私自身、どうしても楽なほうへ楽なほうへ、大きな失敗をしなくて済むほうへ、と進んでいるような気がしています。
 責任を放棄して、のうのうと暮らすことはできません。そういった意味で、プラチナデータの映画には、原作とはまた異なった思いを感じることになりました。

 とまあ、こんな感じでしょうか。
 全体を通してとてもテンポ良く進みましたし、分かりやすい話しの構成もあって、見ていて飽きがこない。皆さんも演技を良い意味でそつなくこなしていました。
 期待しすぎてしまったので、最初は齟齬があったのですが、徐々に物語に引き込まれてゆく良い作品だったと思います。

2013-03-17 : 映画関連 : コメント : 0 :
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